赤字の会社が廃業するまでの200日「3日目③」

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常務は最初からウチの会社にいたわけじゃなくて、

前の会社を辞めたあと、次の就職先が決まらないから

オタクの会社に入れさせてくれないか…

 

と向こうの両親から社長に電話があって入社することになった

という経緯をこの騒動のあとにはじめて知った。

 

どんな事情があるにせよ、子供を抱えた状態で会社を辞める

ような人間は信用できないってことで専務は反対してたみたいだけど、

人のいい社長は二つ返事でOKしたとか。

 

それで仕事に励んでくれるようなタイプの人間だったら良かったんだけど、

仕事熱心ではない上に、やる気はない、言うこと聞かないと

三拍子そろってて、入社後、専務とも長年ウチで働いてくれてる工場長とも

折り合い悪くて現場じゃ敬遠される存在だったみたい。

 

しかもそんな人が常務なもんだから誰も文句言えなくて。

特に折り合いの悪かった専務が認知症になったあとはやりたい放題。

 

仕事中でもちょくちょく姿が見えなくなって、常務は毎日パチンコに行ってるって

いう話を現場の人から聞いてマジでビビった。

 

従兄弟も元々はよそで働いてたんだけど、結婚後今の会社の給料じゃ

やっていけないからおじいちゃんの会社に入れさせてくれっていう理由で入社したらしい。

 

専務が認知症になっておばさんが社長に反抗しはじめたあとも、

僕は中立の立場だから安心してくれって社長とおばあちゃんに

言ってたくせに、オレが入社した途端完全にいとこ側につく変わり身っぷり。

 

オレも中立の立場で話を聞いてくれてるもんだと入社前は思ってたから、

すっごい失望した。マジで。

おばさんのことも相談してたし。

 

でもこういうことになって話し合いをしてる最中に

「明日は娘の運動会なのによー」

って言われたときに今回の騒動中、オレの中で一番ぷっちーん来た。

 

会社のことでテメーの母親がこんな騒ぎ起こしてるときに

子供の運動会の心配かよお前は!!ってマジでぶん殴りそうになった。

 

ちなみに常務の給料はおばさんが自分の家賃と生活費を引いた額を

常務の口座に振り込むっていう手順でやりくりしてたそうです。

 

常務はおばさんとはもう2年以上会ってもないし、話しすらしてないって

言ってました。