社長という世の中で一番楽な仕事
出社したら、社長が月末の支払いでブツブツ言っている。
聞いたら請求書に振込先が書いてあるけど、集金なのか振込なのかはっきりしない所が数件あるのだという。
どうするのか聞いてみたら、成りゆきに任せてみるか、とか言い出してどうしようかと思った。
結局オレが全件確認することに。
もちろん、こんな電話一本で終わる仕事は社長がやる仕事ではない。
でも、ウチの社長は得意先に電話一本かけるのでも明日でいいだろとか、今日は忙しいだろとか、なんだかんだ言い訳してやらない。
それどころか工場の事務員に用事があるときでも、自分で頼むのがイヤだからオレに頼んでくる始末だ。
それでよく社長がやれてるなあと思うのだが、なんだかんだ20年この状態で仕事をしているのだから驚きである。
従業員には社長が現場に顔を出さない理由を病気だから家で仕事をしていると説明しているのだが、普通にコンビニ行って、あずきバーを食べながら時代劇を見るという夏休みの小学生みたいな生活をしている。
本当、社長というのは世の中で一番楽な仕事である。